2016年3月9日水曜日

我參觀了國立台灣博物館。這是新古典主義風格建築的傑作。

今週は月曜日、火曜日と日本から出張してきてくれた社内の宅地造成の専門家の方に現在進行中のプロジェクトの敷地を色々見て注意すべき点などを教えていただきました。昨日の午前中には視察も終わり、台北の建築が見たいとの要望だったので総督府をはじめとする日本時代の様式建築を幾つかご案内しました。その中で国立台湾博物館は入館してしばし新古典様式の堂々たる空間を楽しむことができました。もう一つの理由は昨日はとても暑くて博物館の空調の効いた空間がとても快適だったのです。


白い建築と南国特有の気根の垂れ下がった大樹や背の高い大王椰子の組み合わせです。本来なら違和感があるのですが不思議な調和感があります。


堂々たるファサードです。この建物は日本の統治時代に建築されたものではっきりと謳われてはいませんが博物館というよりは、台湾総督児玉源太郎と民政長官後藤新平の業績を讃えた記念碑的な建築だったようです。モニュメントとして考えれば新古典様式ほど適したものはありません。


正面脇にはガラスの増築部分があります。上階へのエレベーターシャフトです。因みにこの建物のファサードはぴったり真北を向いています。東西の投影面積を最小にして南国の強い日射の影響(特に西日)を最小限にとどめているそうです。まさに環境に配慮した緑建築です。


建物の内部は中央のペディメントの大ドームの下にこの建築の中心であるホールが設けられ、そこから両翼に建物が広がっていきます。


ホールの両側には対向するように象徴的な壁面があります。ここにはかつて児玉源太郎と後藤新平の銅像があったそうですが、現在は何故か壺が置いてあります。ホールの説明をしてくれたボランティアの方のお話によると銅像自体は現在も3階にあるそうですが、残念ながら入館は禁止されていました。確かに日本人の当時の統治行政官の像をそのまま置くのは難しいのかもしれません。


ホールの天井には見事なステンドグラスがあります。トップライトからのやわらかな光が降り注いでいます。日差しが強いので小さなトップライトでも十分明るいです。


2階の上がる階段の途中からホールの入口を見たところです。列柱の基壇の下に更に大理石の柱脚があります。床の緑大理石、柱脚の濃色、柱の白、清々しさを感じます。


2階の回廊からホールを見下ろします。資料によるとかなりの石材は日本から持ってきたそうです。床の緑大理石は花蓮が有名ですのでそこから調達されたのかもしれません。


外観正面はシンプルなドーリス式オーダーですが、ホールは華麗なコリント式オーダーです。アカンサスの葉が浮き上がって見えるように金色の塗装が施されています。白と金、この組み合わせはかなり新鮮です。金といえば赤!となる中華世界の方はどう感じるのか興味がありますね。


この建物の設計者は野村一郎で東京帝大を卒業後すぐに台湾に赴任し、そこで建築設計から都市計画まで台湾全般の建築に関わったようです。新古典主義の大家である岡田信一郎より15歳年上で、お雇い建築家を真似て新古典様式を頑張って設計していた苦労の時代だったのかもしれません。それでも空間のバランスや建物の配置など、様式の踏襲以前に建築設計としての筋の良さを感じます。コンパクトですがとても魅力的な建築でした。

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