「花開く江戸の園芸」展でとても印象に残った展示がありました。「上野花見図屏風(江戸時代前期)」に描かれた花見を楽しむ風景です。桜の樹の間に幕を引き床には毛氈を敷いて花見を楽しむ様子が描かれています。
幕を引いて床を整えるという所作はまさに壁と床を作るということです。壁で囲まれた空間という意味ではまさにインテリアといえます。桂離宮に代表される大庭園とは対照的に幕で囲って閉じた外部空間を楽しむことも日本では古来より行われていたのですね。
戦国時代には大将の座所としての陣地に陣幕は欠かせない要素でした。布を張って簡単に屋内的な空間を作ってしまう。海外にもありますが日本のしつらえも素晴らしい文化ですね。
庭とエクステリアの同質性と相違性については以前から色々考えることが多かったのですが、庭が内包されるインテリア要素、エクステリアはそれらを外部と分離する境界要素と解釈できると思います。この場合は幕がエクステリアですね。庭とエクステリアの性格的な違いが何となく自分の中で腑に落ちてきたような気がします。
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