安平地区は道路が狭いので車で行くと近くに駐車場がほとんどありません。ガイドの黃さんは実はこの地区に住宅を所有しているので住民用の駐車場が利用できるそうです。ここは黄さんの一族のお寺だそうです。一族がまとまって住んでいるのは南イタリアみたいですね。昔シシリーに少し滞在した時もちょうどこんな感じでした。
こういった細い路地が延々と続いています。車が入ってこれない道が多いという点ではベネチアに似ているかもしれません。残念ながら台湾では細い道はスクーターの天下でけっこう危ないです。
所々の広場のような場所には小さなお店があったりします。これは骨董品店ですが、たぶん昔は別のお店だったようです。
細い道に覆いかぶさるような濃い緑の常緑樹が快適な日陰を提供してくれています。南国の空間ですね。
安平歴史地区は昔からの三合院の様式の住宅も多く残っています。オリジナルのものもありますが多くが現役の住宅として改装されています。
多くは煉瓦造ですがレンガの積み方にも独特の意匠が見られます。妻壁の頂部の意匠は欧米には見られない形状です。
先ほどのレストランにもあったレンガの材料で焼き上げた台湾独特の屋根瓦の屋根が面白いです。白い壁と美しいコントラストを見せてくれます。
昔の住宅はどれも軒が低く、最近の天井の高い台湾の住宅とは全く別のもののようです。充分な材料が使えなかったという事情もあるかと思いますが、台湾の人達にとってはどうもこういった空間が原点であるような気がします。天井の高い大きな住宅はアメリカからの価値の借り物のような印象です。
所々に見られるガジュマルの大木もその気根から生命力の強さを感じます。
更には道教寺院の極彩色の装飾が強い日差しに映えます。この意匠とレンガの組積造が不思議に結びついているのが安平の特徴かもしれません。
もう一つ安平の建築の特徴はこれです。壁の骨材になんとサンゴが使われています。海岸であり石材の代替品としてサンゴが頻繁に使われたようです。サンゴも見方を変えれば石灰質の建築材料ともいえます。それにしても独特な意匠です。沖縄にもあるのでしょうか。
ここは修復予定の住宅で台南市の文化財になっているようです。
この壁にもサンゴが使われています。妻壁の天端付近に桁の丸太を受けるための穴が開いています。昼食を摂った餐廳と同じ構造です。レンガとサンゴの混構造の壁です。世界中で安平にしか無い壁かもしれませんね。
妻がとても気に入ったのがこれです。屋根の上のねこさんですが、屋根材と同じ焼き物で出来ています。ねこが屋根の上でくつろいでいる様子がよく表現されています。確かに本物のねこさんもそこかしこにいそうです。こういうこちゃこちゃした町にはねこさんが似合いますね。
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