2016年8月18日木曜日

為什麼那麼巨大的地下空間?

今日は所用があって台湾電力大楼まで捷運で行ってきました。普段はバス利用なので捷運の駅の空間はいつ見ても新鮮です。というか施設のあり方の考え方の違いにいつも考えさせられます。公共施設というのはある意味では、国家あるいは自治体という統治組織の住民に対する考え方、あるいは置かれた立場というものが反映されるように思います。


台湾電力大楼站の構内です。プラットホームの上階の両端に地上からの出入口と改札口、中央にプラットフォームに降りる階段。非常に明確な空間構成でモダンデザインの名作のような佇まいです。色彩も抑えられていて、W.グロピウスの設計だよと言っても通りそうな感じです。


台湾の建築は外装部材でステンレスが潤沢に使われています。ステンレスは材料として強度があるので単純な造形が作りやすく、デザインもシンプルにまとめることが容易です。


乗り換えの中正紀念堂站です。昔からの駅なので全体的には煩雑なデザインです。


国家的なモニュメントでもあるので駅名の表示にもお金がかかっています。日本で国会議事堂でこんな感じにしたら、最近なら炎上でしょう。


オフィスのある信義安和站です。ここは3年位前にできた新しい駅です。


圧倒されるのはプラットフォームの上のこの巨大な空間です。暑い夏の台北にもかかわらず空調されています。駅というよりは巨大な公共空間です。きっと交通機関という機能以外ものが想定されているのでしょう。天災かもしれませんし人災かもしれません。

これだけ巨大な空調された空間が東京の都心部にあれば311の際にもあれほどのひどい混乱はなかったと思います。ここが避難所になればどれだけの人が安全に夜を過ごせたかと思います。結局国家が国民のために何ができるかというのはこういう安全な空間がどれだけ用意されているかというわかりやすい話に行きつくのかもしれません。

台湾は日本と比べれば国土は小さいですが国民の為に提供される空間は巨大です。こういう思想と実行力こそが骨太といえると思います。

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