台中市内は曇りでしたが、途中からこの時期特有の驟雨で土砂降りになりました。美術館に着く頃には雨は小降りになっていて一安心です。
建物の正面です。安藤忠雄らしい単調なファサードです。今回はCanonの超広角レンズを使っていますが、こういった一点透視の構図ではかなりの樽型歪みが出ます。これはCanonのレンズ(L系でも一般系でも)の特徴でしょう。以前はかなりレタッチで苦労しました。今はPS5なので樽型歪みの補正も簡単です。
安藤忠雄の特徴である型枠横使いはこの美術館では開口部の割付にも展開されています。
台湾硝子の少し緑色がかったガラスの色はコンクリート打ち放しによく合う感じです。
巨大なガラスの壁面の奥にブレースというか斜材が見えます。開口部と床の取り合いはさすが安藤忠雄、気合入ってます。
こういった床からガラスの壁が立ち上がるディティールはやはり見ていて気持ちがいいです。雨仕舞が気になりますが、巨大な軒があるので救われている感じです。
この美術館は平面計画が三角形の繰り返しなのでこういったコーナーは不自然というか独特の雰囲気です。
内部は美術館らしくシンプルな空間です。この場合は収蔵品の展示というよりも安藤忠雄の建築が最大の展示品ということでしょう。
階段は建築の見せ所の一つですが、すっきり仕上がっています。奥の壁面がやや美しくない印象です。
2階に上がると長大なスパンを支える斜材がよく見えます。いわばブレースですが、応力のかなりの部分が引張力ですから、ここにRCの部材を持ってくる必然性があるのか甚だ疑問です。普通は鉄骨の部材かと思います。こういう建築の必然性を無視している設計が安藤建築が好きになれないところです。
こういう開放的な空間と一方でRCの箱を組み合わせるというのは建築の設計としてはわかりやすい構成かと思います。平面の三角形を立面でも表現するためにRCブレースを使っているのでしょう。
内部の展示空間は可もなく不可もなくという感じです。この場合の展示品は安藤作品のインテリアという感じです。
展示空間も三角形の平面ですので独特な雰囲気です。こういった展示空間はクライアントもあまり期待していないのではないかと思います。
所々にこういった回廊的な空間があります。光と壁で構成されていてこういった空間は魅力的です。
階段室です。トップライトの光で陰影を創り出しています。こういう空間はさすが安藤忠雄という感じです。
色々批判めいたことも書きましたが、独特の空間、洗練されたディティールなど久しぶりに安藤忠雄の建築を感じることが出来ました。案内してくれた李さんに感謝です。
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