ここはかつて日本時代の新富町食料品小売市場だったそうです。ここの一帯は萬華地区の市場があるのですが、この建物は早い段階で使われなくなったそうで、台北市が古蹟として改修工事を行い、昨年工事が完了し、今年から文化施設として使われる様になったそうです。
改修で古い建物の横にモダンなコンクリート打ち放しのアネックスが追加されています。
改修したオリジナルの建物の躯体をできるだけ残してインフィルで色々な装置が組み込まれています。この大きな階段もその一つ、休憩のベンチも兼ねています。
大階段を登るとそこはギャラリーになっています。どうやらこの建物で写真を撮るのが若者の流行になっているようです。
元は市場なので天井が高く建築家の創造意欲を掻き立てるようです。照明器具は小籠包を蒸す蒸籠です。
さらに奥に入ります。中央の床下の見えるのは元の建物の床だそうです。そのまま保存しています。
今年オープンした施設なので日本では未だ殆ど知られていないようです。建物を案内してくれた小姐は日本語が流暢でとても丁寧に案内してくれました。謝謝您、非常感謝!
この建物を中央に中庭があります。中の周囲を歩けるような回廊が続いています。
建物の構造を解説した模型です。1935年に完成した建物で新古典様式というよりも分離派などの影響を受けたモダンなデザインになっています。
中央の中庭でランドスケープ事務所の吳さんと記念撮影です。謝謝吳先生!
中庭の奥の半円形の部分はカフェになっています。この界隈はみんなで集まって食事をする場所が少ないので、このカフェは大繁盛なようです。
しかもこのカフェで出すイタリア風サンドイッチは美味しいと評判のようです。実際に食べてましたがとても美味しかったです。
市場の奥には日本時代に市場の職員が居住していた建物があり、これも復元されています。この手の建物は台北の市内のあちこちにあります。古い建物を丁寧に改修して再利用しているのは台北の魅力の一つだと思います。
市場の建物とアネックスの間は小さな中庭になっています。アネックスの建物をよく見るとびっくり。サッシュレスの開口部です。雨の多い台北ではこういったディティールはかなりのチャレンジです。型枠合板横使いは安藤忠雄の影響ですね。コンパクトですがとても魅力的な空間でした。
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