うねりのたうちまわる太い幹は生命の迫力を感じさせます。
現地では五福臨門と称され、神木として崇められているそうです。樹種はクスノキ(楠)です。解説によると日本統治下では楠から樟脳が採れるために大量に伐採されたそうですが、この楠は現地の人達が力を合わせて守り、伐採を免れたそうです。(多分そういう意味だと思うのですが・・・)
樹木の高さは20m、幹の直径は2.5m、枝の拡がりは1,300㎡に及ぶそうです。まさ四方八方に枝が拡がっています。樹木というよりは龍や巨大な蛛のような未知の生物であるかのような印象です。
樹木を正面に見据えるようにお参りのための祭壇も設けられています。周囲にはお香の香りが漂っていてそれでさらに厳かな雰囲気を感じさせます。
一度伸びた太い幹が地面に埋まってそこからまた伸びています。樹木の生育の恐るべきエネルギーを感じます。
幹の随所にはこういった寄生植物が定着しています。楠だけではなく色々な植物、さらにそこに住む昆虫、その昆虫を食べにやってくる鳥や小動物など一つの世界ができています。
今まで台湾の樹木は公園や街路樹、建築の部分として見ることが多く、どちらといえば穏やかな印象でした。しかしこのクスノキは荒々しさと逞しさ、さらには異様なほどの生命力の強さを感じます。台湾の高温で多湿な気候、さらには光合成のための強力な太陽光など、樹木の生育にはこれほど適した環境はなく、そういう点においてはこういった樹木があっても何ら不思議ではありません。それでも実際に目にすると畏怖を感じます。人々がそこに神を見出したのもわかる気がします。
日本でもとなりのトトロに出てくる神社の御神木はやはりクスノキでした。クスノキは巨木に育つことで有名ですが、巨大の姿に神々しさ、生命の営みを感じさせるという点では日本も台湾も共通の感情があるようです。また一つ台湾に親近感を感じるようになりました。
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