2014年11月26日水曜日

図面好き

先日毎朝通る西新宿の駅前地下広場で土木学会による近代土木構造物の図面の展示会が行われていました。図面フェチとしては見過ごすわけには行きません。朝は遅刻してしまいますが、会社の帰りにじっくり見てしまいました。


図面は男のロマンですね。蒸気機関車や航空機、戦車や護衛艦、もちろん建築も土木構造物も全て図面がなければ出来ません。いきいきと動き存在感を放つ機械たちの生まれる前の姿と言えます。特に手書きの図面はそこに向かい合った偉大な先人の思いが伝わってくるようです。時間を忘れて見入ってしまいます。


これは日露戦争後に整備された大阪港の住友財閥の桟橋と倉庫です。この図面を見て思わずにやっとしてしまったのは図面左端の輸送船です。大阪港は吃水の深い艦船が入港できず、その欠点を克服するためにこの桟橋工事が行われたそうです。断面に艦船を描いて吃水に問題がないことを示す必要は確かにあったと思いますがここまで精緻に描く必要はなかったと思います。それをこんなに丁寧に描いたのはきっと設計者か製図の担当者がこの設計か図面に特別の思い入れがあったのではないかと思います。


これは金沢市に初めて出来た浄水施設の一部の沈殿池です。思わず惹かれてしまったのがこの沈殿池の精緻な配筋図。日常的に図面に接している立場としては基準となる配筋パターンを描いて後は端部だけ示せばよいと思うのですが、全域にわたって配筋を書き込んでいったのは何か執念のようなものを感じますね。絶対にこの通りに作るのだ!と図面が命令しているようです。この執念を見習いたいです。今では図面はスケッチ以外はすべてCADで描くようになりましたが、自分の作った図面がこのような迫力があるかどうか甚だ疑問です。でもいつかはそういう図面を描きたいですね。

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