2013年1月27日日曜日

メイドインジャパン

昨日のNHKの60周年記念ドラマ「メイドインジャパン」見てしまいました。色々考えさせられました。かつての日本の成長の屋台骨を支えた家電業界の凋落が描かれています。代わりに台頭する中国を始めとする新興勢力。今まではそれでも日本は優位を保って来ましたが、ここに来てそれも失われつつあります。


ドラマの中で象徴的なシーンが、リチウムイオン電池の開発が凍結されるシーンです。これ以上の開発費が出せないという理由でした。おそらくこのセリフは日本の製造業の中では日常的に出ていることでしょう。これこそが日本のメーカーが衰退した理由の一つであると思います。

本当に重要な技術なら他を削ってでも開発を進める、そのための社内での意志をまとめる。日本はそういう進むべき道を見出すのにここ20年くらい失敗し続けているのだと思います。日本人は目標が見つかれば死にもの狂いで頑張って奇跡を起こす程の力を見せます。「プロジェクトX」の世界です。しかしその目標探しそのものが保守化し、過去の成功体験の延長線でしか考えられなくなっています。過去を引きずるのは職人であり「匠(たくみ)」です。このドラマの舞台となったメーカーの名前が「タクミ電機」というのは何やら象徴的です。

結局企業の方向という大きな舵を握るのは最高経営責任者であり、その判断は民主的に決まるものではありません。どこを削ってどこを伸ばすかは社長が決めるものなのです。ここ数年はかつてないほど企業経営者のそういう面での資質が問われています。市場は調整型ではなく先導型の企業経営者を評価します。スティーブ・ジョブスに代表されるようなビジョンを持った経営者でないと会社という巨大組織は生存できなくなっています。総務部長のような社長は目標を示すことができません。最近のソニーの平井社長やパナソニックの津賀社長が明確な方向性を出しつつあるのは希望が持てます。

このドラマで社長がどのような働きを見せるのか楽しみです。唐沢久明率いるチームの勝利で終わったら、それは新しいプロジェクトXにすぎません。どんな展開になるのか、来週の土曜日が楽しみです。

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