考えさせられたのは高低差の処理です。見学した団地は1990年に基本設計がされています。そろそろ高齢者の問題も出てきた時代だと思いますが、高齢者が生活するには厳しい設計です。おそらく現在ではこういう設計は許されないと思います。やはり時代だったのでしょうね。
4件の住宅のためのクルドサックが設けられていて、高低差のあるもう一つのクルドサックと歩行者用のフットパスの階段で結んでいます。設計としてはラドバーンと同じ考え方です。
下のクルドサックから見るとこんな感じです。ペイブメントのデザインとか階段脇の植栽とか色々デザインは考えられています。
問題は住宅へのアプローチです。クルドサックを結ぶ階段の中間の踊り場から両側に分かれてしかも人工地盤のレベルに合わせてもう一つ階段があってようやく住宅の玄関に辿り着けます。上からも下からも階段を使わないとどうやっても行くことができません。高齢者や障害者の動線を全く考慮していません。ここは鎌倉やサンフランシスコのような元からの傾斜地ではなく、人間が作った地形です。それにも関わらずこういった設計にしてしまうのは生活者への配慮の無さを感じてしまいます。エクステリアの以前の開発者、設計者の心根の問題だと思います。
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