2013年1月22日火曜日

スラブヤー

エクステリアの歴史の調査で、「スラブヤー」という建築に出会いました。戦後沖縄でたくさん建てられた住宅だそうです。太平洋戦争が終わって沖縄はアメリカの一部として次々と駐留軍の基地が建てられました。ところが沖縄は木材も鋼材もありません。ただし周りは全て海岸で砂だけは豊富にありました。アメリカ軍は米本土からコンクリートブロックの製造装置を運び込んでコンクリートブロックを大量に作り兵員の宿舎を作りました。


コンクリートブロックの製造には沖縄の人たちも従事し、そこで目にしたブロックを自分たちでも作って焦土とした島に自分たちで住まいを作っていきました。躯体は鉄筋コンクリートのラーメン構造で、陸屋根の下の柱の間にブロックを積みました。業界用語であるスラブが住宅の名称として使われているのがなんとも不思議な感じです。ちなみに私達がよく目にする赤瓦の家は「カワラヤー」というのだそうです。

沖縄にはコンクリート住宅やブロック建築が多いことが常々不思議だったのですが、少し謎が解けた気がしました。シーサー、赤瓦、ヒンプンと言ったイメージだけで沖縄の住宅を考えるのは本土の人間の表層的な理解なのかもしれません。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


デザイン ブログランキングへ

0 件のコメント:

コメントを投稿