2012年1月22日日曜日

浅沢神社

大阪、住吉での試験施工の準備が終わったので住吉大社の駅に向かっていると小さな神社がありました。浅沢神社といって住吉大社の境外末社だそうです。


鳥居があってその奥に社があります。立派な石造の柵や石灯籠、手水鉢の施設もあって小さいながらも立派な神社です。


神社を眺めていたら管理人さん(おそらく住吉大社の職員さんでは?)がやってきて神社の照明を入れていきました。夜にお参りに来る人も多いようです。


手水鉢も不思議な動物(龍ですか)になっていて、なんというか不思議さとある種のおどろおどろしさを感じます。特に夕方だったらかでしょうか。


お社の中に入ってびっくり。天井を埋め尽くす提灯、提灯、提灯。これは不思議な雰囲気です。明日の試験施工の成功を祈ってお賽銭を捧げさせていただきました。


お社の脇の説明書きによると、浅沢神社は弁天さんと呼ばれて親しまれ、福の神、女性の作法、芸事の守護神として崇敬されているそうです。よく見ると提灯には「舞踊教室」「江戸芸かっぽれ」など芸人さんの名前が沢山あります。灯明や照明が多いのは夜、仕事が終わってからお参りする芸人さんも多かったからなのでしょう。


お社の手前にも一回り小さい提灯がたくさんぶら下がっています。芸人さんのような名前が沢山あります。


もうひとつとても面白いのがその空間の構成です。お社から北に向かって橋を渡ると巨大な不思議な建築物があります。そしてその周りが一面の池で植物が一面に生えています。植物は説明によると住吉の地区で古来より親しまれてきたカキツバタだそうです。神社の周囲をカキツバタで埋めるというその発想がすごいです。


この建築物は高燈籠というもののようです。住吉には住吉大社をはじめ高灯篭がそこかしこにあります。以前紹介した住之江味噌の池田屋本舗にも高燈籠がありました。住吉には高灯籠という鎌倉時代に創建された日本最初の燈台もあるそうです。

こういう神社を見ると関東の神社にはない自由な構成が見られます。本家の余裕というか遊び心でしょうか。それから住吉の街中に見られる高燈籠、これは風情があっていいですが、逆の見方をすれば、往時は薄暗くて暗がりでの不安が大きかったことが伺われます。あるいは住吉大社の荘厳な雰囲気を醸成するために高い位置の明かりが非常に効果的だったということかもしれません。いずれにしても住吉の街のその不思議さにすっかりはまってしまいました。時間があれば安藤忠雄の住吉の長屋の見学も兼ねてぜひもう一度来てみたいです。

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