小説は昨年か一昨年に読んだと思います。映画はとても印象的でしたが、小説を読んでいない人にはその映像の意味は充分に伝わらないと思います(この映画を小説を読まないで見る人は少ないと思いますが)。村上春樹氏の小説は自分にとっては、その小説の書かれた時代のプレイバックという意味もあって映像には二重の訴えるものがありました。
映像は概ね自分の「ノルウェイの森」のイメージに近いものがあり、村上春樹氏のメッセージ、そして小説が書かれた1987年に至る(1979年からの)空気を感じることが出来ました。自分にとっては良く悪くも今の自分のルーツとなった時代であり、その時代を思いださせるということは触れられたくはないけれどでももう一度見てみたいというような特別な期間だったと思います。
この映画が海外の監督のもとで映像化されたということも興味深いです。村上作品は海外でも人気が高いことで知られていますが、この作品が書かれた時代も含めてどこまでそのメッセージが伝わっているのか、あるいは海外の読者がどのように感じているのか知りたいですね。
敢えて言ってしまえば、村上春樹氏のデビューした1979年は自分は大学2年生、村上作品に登場する大学生とはほとんど同級生です。舞台も東京で何気ない日常の描写までが本当に自分の日常と共通しています。作者の価値観と背景にこれほど共通性があるというのは自分たちの世代は信じられないほど幸運なのかもしれません。
「ノルウェイの森」の映画は、事実上小説の映像補足版といっていいでしょう。また少し時間が経ったら見たい気分になると思います。
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