2012年3月31日土曜日

囲うということ

最近、色々な方と外構の歴史について調べています。「庭」ではなく「外構」です。要するに塀や門のはどんなものがどう変わって現在に至っているのかということです。その中でもう誰もがご存知の2つの作品を比較してみます。


ご存知、龍安寺の石庭です。おそらく日本で一番有名な庭かもしれません。気になったのは石でも広大な砂利でもなく奥の塀です。この塀の向こう側には緑豊かな庭園が広がっています。そのような空間があるにも関わらず、敢えて囲うことで閉じた空間にしているということです。


こちらは堀口捨己の旧岡田邸です。シンプルな壁で囲われた庭園です。矩形の池もありますが必要最小限の要素で構成されています。1933年の作品です。結局日本人には囲われた空間に対する志向が連綿と息づいているということでしょうか。日本庭園といえば伸びやかな自然と一体になった空間が特徴のように語られますがこのような囲われた外部空間も多く作られていることがわかります。龍安寺も旧岡田邸も極めてモダンであり、西欧の空間と共通するものがあります。いわばエデンです。西欧の場合はそこで実際に生活(食事など)を展開するという点で違いがあるかもしれません。

結局はこの高い塀=壁という装置に収斂していくのかもしれません。あまりにも素人的な考察で赤面の至りですが自分の備忘録ということでご容赦下さい。

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