上野の杜は随分と久しぶりです。新緑で樹々の明るい緑が目に心地よいです。外国人観光客が本当に多くてとても驚きました。
国立西洋美術館も本当に久しぶりです。コルビュジェの特別展ということで入場券売り場は長蛇の列です。
西洋美術館は外装がかなり入念に手入れがされています。世界遺産に指定されたからでしょうか?杉板のコンクリート打ち放し面もかなりきれいになっています。これ以上は補修となり建築本来の表情を変えてしまうのかもしれません。
入場券売り場は長蛇の列でしたがスムーズにチケット販売が行われていて15分ほどで会場に入ることができました。
建築関係の大人や建築を学んでいる学生さんが多いですが若い女性やシニアの方も大勢います。コルビュジェをこの機会に学びたい人が多いのかもしれません。
1階のロビーには模型や出版物などが展示されています。ここだけは撮影可能です。外国の人達もたくさん見に来ています。
当然ということで有名なドミノシステムの模型が展示されていました。今回の模型の殆どは大学の研究室などが作成したものを借りてきたようです。ドミノシステムをコルビュジェが提唱したのは1915年だそうで、まさに今回の企画展のテーマの時期です。
このロビーの空間そのものがコルビュジェそのものであり、今回の企画展の象徴といってもいいと思います。エスプリ・ヌーヴォー館の空間構成と共通するものがあります。
2階に上がっていくスロープはサヴォア邸を思い起こさせます。スロープをゆっくり上りながら視界が徐々に変わっていくのは新鮮な体験です。スロープもいいものだと改めて思いました。
スロープを登りきるとそこから先は撮影は禁止で、ピュリスムの始まりから終わりまでを順を追って雑誌や絵画、建築模型などで紹介しています。コルビュジェのドローイングや絵画などがいろいろ展示されていましたが、建築についてはどれも有名すぎて新たな気付きはそれほど多くはありませんでした。絵画については何かを表現するというよりは幾何学的な試行の素材という感じでした。一緒に見に行った奥さんの感想は「どれもぺったんこ」だそうで、たしかにその通りだと思います。コルビュジェについて言えば絵画は見なくてもよかったかもしれません。企画としては面白いですが内容は今ひとつという感じでした。
展示の順路から中庭の様子が見えます。明らかに前川国男の世界です。とても魅力的です。
特別展を見終わって常設展示のフロアを通ります。ルノアールやモネなど印象派の色彩豊かな具象絵画を見るとほっとして心が休まります。絵画はやはりこうあるべきと思います。このような素晴らしい絵画と比べるとコルビュジェの絵画はまさに「見ることによる機械」なのかもしれません。
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